スペイン系の名前はローマ帝国、キリスト教、そしてイスラム教の影響も受けてきました。
そして地域としても、スペインだけではありません。
アルゼンチン、メキシコ、ブラジル以外の中南米地域から、カリフォルニアやテキサス、フロリダといったラテン系が多いアメリカ合衆国南部、そして元スペインの植民地であったフィリピンに至るまで、実はかなりの広がりがあります。
英語が世界的な言語だとするなら、名前で世界を制覇しているのはスペイン系の名前かもしれません。
以下で早速名前の由来を説明しますが、彼らの姓は父方と母方両方の姓を継承する二重姓システムが特徴なのも覚えておくとよいでしょう。
ジャンルとしては他のヨーロッパと同じように職業、地理的特徴、個人の特性に由来するものが多く見られます。それでは早速。
宗教に由来する名前
Fernández フェルナンデス
ゲルマン語の「Ferdinand」の息子を意味し「勇敢な旅」を意味する古ゲルマン語に由来します。レコンキスタの時代に普及しキリスト教文化との強い結びつきがあります。スペインとラテンアメリカで非常に一般的な姓です。
アレハンドロ・フェルナンデス(メキシコの歌手、ラテン音楽界で「エル・ポトリージョ」の愛称で知られる)
García ガルシア
イベリア半島のゴート語で「若く勇敢な戦士」を意味し、スペイン語圏で最も一般的な姓の一つです。
古代バスク地方で広まり、中世の間にキリスト教徒の名として普及しました。歴史的に戦士の家系との関連が強いことを示しています。
ガブリエル・ガルシア・マルケス(コロンビアの作家、「百年の孤独」の著者でノーベル文学賞受賞者) アンディ・ガルシア(キューバ系アメリカ人の俳優、「ゴッドファーザーPART III」などでお馴染みの有名俳優)

Martínez マルティネス
「マルティン」の息子を意味し、「戦争の神マルス」に由来しながらも、キリスト教聖人聖マルティヌスとの関連で広まりました。4世紀のトゥールの聖マルティヌスは軍人から修道士となった聖人で、特にスペイン北部で篤く信仰されました。現代のスペイン語圏で最も多い姓の一つです。
リッキー・マルティン(プエルトリコの歌手、「Livin’ la Vida Loca」で世界的成功) ペドロ・マルティネス(ドミニカ共和国の元野球選手、メジャーリーグの殿堂入り投手)
Santos サントス
「聖人たち」を意味し、万聖節(諸聖人の日、11月1日)に関連して与えられることが多い姓です。カトリック教会における聖人崇拝の重要性を反映し、特に信心深い家庭で好まれました。複数形であることから、複数の聖人への献身を示しています。
ロメロ・サントス(アメリカのバチャータ歌手、ドミニカ系でバチャータ音楽の現代化に貢献)
Ángel アンヘル
「天使」を意味し、大天使ミカエルや守護天使への信仰に由来します。スペインでは特に大天使ミカエルの祝日(9月29日)に関連して与えられることが多く、カトリック教会における天使信仰の深さを表しています。個人名としても姓としても使用されます。
クリスス・エンヘル(アメリカのマジシャン、「マインドフリーク」で知られるイリュージョニスト)
Sánchez サンチェス
ラテン語の「Sanctius」(神聖な)に由来し、キリスト教の影響を示しています。中世の聖人崇拝に関連して広まった姓で、イベリア半島のキリスト教化の歴史を反映しています。現代のスペイン語圏で最も一般的な姓の一つです。
アレクシス・サンチェス(チリのサッカー選手、アーセナル、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドでプレイ) ペドロ・サンチェス(スペインの政治家、スペイン首相を務める社会労働党の党首)
Rodríguez ロドリゲス
ゲルマン語の「Roderick」(有名な支配者)の息子を意味します。ゴート王国時代に広まり、レコンキスタの時代に人気となりました。イベリア半島の中世キリスト教社会における権力と名声の重要性を反映しています。
ハメス・ロドリゲス(コロンビアのサッカー選手、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンでプレーしてきた強力FW) ロベルト・ロドリゲス(アメリカの映画監督、「デスペラード」「シン・シティ」の監督)
López ロペス
ラテン語の「Lupus」(オオカミ)に由来し中世のスペインで保護者や戦士のシンボルとされました。やはりキリスト教徒のレコンキスタ時に普及し、戦士としての勇気や強さを象徴する姓として広まりました。
ジェニファー・ロペス(プエルトリコ系アメリカ人の歌手・女優、「J.Lo」の愛称でも知られる) フェリシアーノ・ロペス(プエルトリコのボクサー、6階級制覇の世界チャンピオン)
職業に由来する名前
Herrero エレーロ
「鍛冶屋」を意味し、中世の重要な職業を反映しています。武器、農具、馬具など生活に不可欠な金属製品を作る職人として高く評価されていました。
ドイツ語の「Schmidt」やフランス語の「Lefèvre」に相当します。
Zapatero サパテーロ
「靴職人」を意味し中世スペインにおける専門的職業を表しています。履物の製造は高度な技術を要する重要な仕事であり、都市部のギルド制度において確立された地位でした。
英語の「Shoemaker」さんに相当します。
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ(スペインの元首相、2004年から2011年まで在任)
Guerrero ゲレロ、ゲレーロ
「戦士」を意味し、レコンキスタ(国土回復運動)時代の軍事的役割を反映しています。イスラム教徒との戦いで功績を残した戦士の家系に与えられた姓で、中世スペインの軍事的性格を示しています。英語の「Warrior」に相当します。
エディ・ゲレロ(2000年代のWWEで活躍したラテン系の名プロレスラー)
ペドロ・ゲレーロ(メキシコの野球選手、メジャーリーグで活躍したスラッガー)
ビセンテ・ゲレーロ(メキシコの革命家、メキシコの独立運動の英雄)
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地理的特徴や出身地に由来する名前
Castillo カスティージョ
「城」を意味し城の近くに住んでいた人々や城の守備隊に与えられた姓です。
レコンキスタ時代のイベリア半島の防衛構造の重要性を反映しています。英語の「Castle」に相当します。
Ríos リオス
「川」を意味し、河川の近くに住んでいた人々に与えられた姓です。水源へのアクセスは農業や生活に不可欠であり、地理的特徴として重要でした。複数形の「ríos」(川々)は、複数の川が合流する地点との関連を示唆しています。
マルセロ・リオス(チリのテニスプレーヤー、世界ランキング1位に到達した南米初の選手)
Montaña モンターニャ
「山」を意味し、山岳地帯に住んでいた人々に与えられた姓です。
イベリア半島の多様な地形を反映しており、特に北部の山岳地帯で一般的です。フランス語の「Montagne」、イタリア語の「Montagna」に相当します。
Bosque ボスケ
「森」を意味し、森林地帯に住んでいた人々や森の管理人に与えられた姓です。中世のイベリア半島では、森林は木材資源、狩猟場、そして戦略的な隠れ場所として重要でした。森林管理は王室の特権に関わる重要な職務でもありました。
Fuente フエンテ
「泉」または「噴水」を意味し、水源の近くに住んでいた人々に与えられた姓です。水は生活に不可欠であり、泉や井戸の周りには自然に集落が形成されました。中世の都市計画においても、水源は町の中心的な要素でした。
ビセンテ・デ・ラ・フエンテ(スペインの歴史家、19世紀の著名な学者)
Iglesias イグレシアス
「教会」を意味し、教会の近くに住んでいた人々や教会の所有地で働いていた人々に与えられました。中世スペインにおけるカトリック教会の中心的役割と影響力を反映しています。英語の「Church」に相当します。
エンリケ・イグレシアス(スペインの歌手、国際的なポップスターでフリオ・イグレシアスの息子) フリオ・イグレシアス(スペインの歌手、世界的に有名なラテン音楽のアイコン)

個人の特性や特徴に由来する名前
Moreno モレーノ
「褐色の」または「浅黒い」を意味し、肌の色や髪の色が暗い人に与えられた姓です。
イベリア半島の多様な民族的背景と、外見的特徴による識別の重要性を反映しています。英語の「Brown」や「Dark」に相当します。
リタ・モレーノ(プエルトリコ出身の女優・歌手・ダンサー、EGOTを達成した最初のヒスパニック系女性) アルベルト・モレーノ(スペインのサッカー選手、リヴァプールなどでプレイしたディフェンダー)
Rubio ルビオ
「金髪の」を意味し、金髪または明るい髪色の人に与えられた姓です。目立つ身体的特徴に基づいた識別の例で、特にイベリア半島の南部でより珍しい特徴として目立ちました。英語の「Blond」に相当します。
マルコ・ルビオ(キューバ系アメリカ人の政治家。2025年現在はトランプ政権でアメリカの国務長官である。キューバ系移民でお馴染みのフロリダ州出身で、元フロリダ州の上院議員であった。)
パウリーナ・ルビオ(メキシコの歌手・女優、ラテンポップの代表的アーティスト)
あえて2016年の大統領選の対立候補でトランプと口論していた頃のマルコ・ルビオ。トランプの元手国務長官になるとはこの時誰も思っていなかったであろう。
Gordo ゴルド
「太った」を意味し、太めの体格の人に与えられた姓です。Delgadoの対義語で、体型による区別の例です。栄養状態が社会的地位の指標となることもあった中世の社会状況を反映しています。英語の「Fat」や「Stout」に相当します。
Valiente バリエンテ
「勇敢な」を意味し、戦争や困難な状況で勇気を示した人に与えられた姓です。レコンキスタ時代の軍事的価値観を反映し、個人の性格や行動に基づいて名誉ある称号として与えられました。騎士道精神の具現化を表しています。
Alegre アレグレ
「陽気な」または「明るい」を意味し、性格や気質に基づいて与えられた姓です。社会的相互作用における個人の性格特性の重要性を反映しています。英語の「Happy」や「Cheerful」に相当します。
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歴史的・政治的背景を持つ名前
Hidalgo イダルゴ
「貴族の息子」を意味し、中世スペインの社会階級を反映しています。元々は「hijo de algo」(何かを持つ者の息子)から派生し、貴族ではないが特権を持つ社会階級を指しました。スペインの階級制度の複雑さを示しています。
ミゲル・イダルゴ(メキシコの司祭、メキシコ独立戦争の英雄) アンナ・イダルゴ(スペインの歴史学者、中世イベリア半島の社会階級研究の専門家)
Reyes レイエス
「王たち」を意味し、王室に仕えていた人々や、三賢王の祝日(公現祭、1月6日)に生まれた子供たちに与えられた姓です。
スペインのカトリック君主制の伝統と宗教的祝祭の重要性を反映しています。英語の「Kings」に相当します。
ホセ・レイエス(ドミニカ共和国の野球選手、メジャーリーグで活躍したショートストップ)
Caballo カバジョ
「馬」を意味し、馬に関わる職業(騎手、馬の世話人、馬商人)や馬のような特徴を持つ人に与えられた姓です。中世では馬は戦争と騎士階級の象徴であり、馬術は貴族の重要な技能でした。レコンキスタにおける騎兵の重要性を反映しています。
Palacio パラシオ
「宮殿」を意味し、王宮や貴族の宮殿で働いていた人々に与えられた姓です。宮廷社会への所属や貴族との関係を示し、社会的地位の高さを暗示する姓でもありました。スペイン王室の長い歴史と宮廷文化の重要性を反映しています。
ロドリゴ・パラシオ(アルゼンチンの元サッカー選手、インテル・ミラノなどで活躍したストライカー)
Moro モロ
「ムーア人」を意味し、北アフリカ出身者またはイスラム教徒の子孫を指します。
イベリア半島の長いイスラム支配の歴史と文化的混合を反映しています。時にはキリスト教に改宗したムスリムの子孫に与えられました。
Vargas バルガス
イベリア半島の古代の地名に由来し、多くの場合「斜面」や「谷」を意味します。レコンキスタ期間中に重要な役割を果たした家系と関連しており、特に中央スペインの地域で広まりました。
マリオ・バルガス・リョサ(ペルーの作家、ノーベル文学賞受賞者、「緑の家」の著者) エリザベス・バルガス(アメリカの放送記者、ペルー系の著名ジャーナリスト)
現代のスペイン語圏における姓
Cruz クルス
「十字架」を意味し、キリスト教の象徴に関連する姓です。十字架の近くに住んでいた人々、宗教的な献身を示す人々、あるいは十字架の形をした交差点の近くに住んでいた人々に与えられました。
カトリック信仰の強い影響を反映しています。
ペネロペ・クルス(スペインの女優、「バニラ・スカイ」「ボルベール」の出演者、アカデミー賞受賞者)
Torres トーレス
「塔」または「砦」を意味し、防衛構造物の近くに住んでいた人々に与えられた姓です。中世の防衛システムと都市建設の重要性を反映しています。レコンキスタ時代の軍事的環境と関連しています。
フェルナンド・トーレス(スペインのサッカー選手、アトレティコ・マドリード、リヴァプール、チェルシーでプレイ)
Mendoza メンドーサ
バスク地方に起源を持ち「寒い山」を意味します。
スペイン北部の山岳地帯との関連を示し、バスク人の強い地域的アイデンティティを反映しています。歴史的に影響力のある家系の姓として知られています。古い漫画ですがあしたのジョーのホセ・メンドーサで日本では知名度を得ているような気がする名前です。
アントニオ・デ・メンドーサ(スペインの征服者、ヌエバ・エスパーニャ(現メキシコ)の初代副王)
Herrera エレーラ
バスク地方起源で「石切り場」を意味し、石工や採石業に関わる人々に与えられた姓です。建築や彫刻に不可欠な石材の採取と加工は、中世において高度な技術を要する重要な職業でした。現代でも広く見られる姓の一つです。
カルロス・エレーラ(スペインのジャーナリスト、ラジオ番組司会者として著名)
Vega ベガ
「肥沃な平原」を意味し、川沿いの肥沃な土地に住んでいた人々に与えられた姓です。農業に最適な土地を表し、経済的豊かさや農業的成功を象徴します。スペイン各地の河川流域で一般的に見られる地形です。
ロペ・デ・ベガ(スペイン黄金世紀の劇作家、「スペイン演劇の父」と呼ばれる) パス・ベガ(スペインの女優・歌手、国際的映画祭で評価される実力派女優)
Ramírez ラミレス
ゲルマン語起源で「Ramiro」(賢明な統治者)の息子を意味します。西ゴート王国時代に広まり、レコンキスタ期の王族や貴族との関連が深い姓です。現代のスペイン語圏、特にメキシコで非常に一般的な姓となっています。
マニー・ラミレス(ドミニカ共和国出身の元野球選手、メジャーリーグの強打者として伝説的存在) エドガー・ラミレス(ベネズエラの俳優、「ボヘミアン・ラプソディ」などハリウッド映画で活躍)
Díaz ディアス
「Diago」または「Diego」(古いスペイン語でヤコブ、聖ヤコブを意味する)の息子を意味します。キリスト教の聖人名に由来し、中世のキリスト教化の過程で広まりました。スペインの守護聖人サンティアゴ(聖ヤコブ)への信仰と関連しています。
カミロ・ホセ・セラ・ディアス(スペインの作家、ノーベル文学賞受賞者) ポルフィリオ・ディアス(メキシコの政治家、長期にわたりメキシコの大統領を務めた)
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