【英語独特の表現】歯の皮膚ギリギリでタオルを投げる【パート2】

日常

英語には日本語に直訳しづらい独特の表現が数多く存在します。

このガイドではビジネスシーンや日常会話でよく使われる英語独自表現慣用句を紹介します。それぞれの表現の起源や使い方のニュアンスを理解して より自然な英語表現ができるようになりましょう。

ビジネスやスポーツに由来する表現

The ball is in your court ボールはあなたのコートにある

テニスやバスケットボールなどのスポーツから来た表現で、次のアクションを取るのはあなたの番だということを示します。交渉やコミュニケーションで広く使われます。

It’s your decision – the ball is in your court now.

あなたの決断です – 今はボールがあなたのコートにあります。

Throw in the towel タオルを投げる

ボクシングではトレーナーがファイターの代わりにリングにタオルを投げ入れて降参の意思を示します。現代では何かを断念する際に広く使われる表現です。類語として「give up」や「quit」があります。

After three failed attempts, the company threw in the towel on the project.

3回の失敗の後、会社はそのプロジェクトを断念しました。

Bend over backwards 後方にかがむ

もともとはアクロバットや体操の技から来た表現で、通常の限界を超えて誰かを助けるために特別な努力をするという意味です。「go above and beyond」も似た表現です。

The customer service team bent over backwards to solve our problem.

カスタマーサービスチームは私たちの問題を解決するために多大な努力をしてくれました。

Go the extra mile 余計なマイルを行く

聖書のマタイによる福音書に由来するとされ、期待を超えた努力をする意味です。「put in extra effort」と似た意味になりますが より格式高い表現です。

Our teacher always goes the extra mile to help struggling students.

私たちの先生はいつも苦労している生徒を助けるために格別な努力をしています。

困難な状況を表す表現

Barking up the wrong tree 間違った木にほえる

狩猟犬が獲物がいない木に向かって吠えている様子から来た表現で、18世紀アメリカで生まれました。「on the wrong track」(間違った道筋にいる)という表現も似ています。

If you think the solution is to cut expenses, you’re barking up the wrong tree. 解決策が経費削減だと思うなら、あなたは間違った方向を見ています。

Between a rock and a hard place 岩と硬いところの間

1910年代のアリゾナ州の鉱山労働者のストライキに由来するという説があります。どちらを選んでも良くない結果になる状況を表し、「catch-22」や「dilemma」とも言い換えられます。

With bills to pay but no job offers, he found himself between a rock and a hard place. 支払うべき請求書はあるのに仕事のオファーがなく、彼は板挟み状態になっていました。

By the skin of your teeth ギリギリで

聖書のヨブ記に由来する表現で、非常に僅かな差で何かを達成したことを表します。「narrowly」や「just barely」も似た意味です。

She passed the final exam by the skin of her teeth with a score of 60%. 彼女は60%のスコアで決勝試験をギリギリで合格しました。

人間関係に関する表現

Give the cold shoulder 冷たい態度をとる

中世のもてなしの習慣に由来するという説があります。客人に温かい肉の代わりに冷たい肩肉を出すことで歓迎されていないことを暗に示したといわれています。「ignore」や「snub」も類似の意味です。

Ever since our argument, my neighbor has been giving me the cold shoulder. あの口論以来、隣人は私に冷たい態度を取っています。

Rain on someone’s parade 誰かのパレードに雨を降らせる

お祝いの場を台無しにするという意味で、パレードと雨のイメージから来ています。「spoil someone’s plans」や「ruin someone’s moment」とも言えます。

I don’t want to rain on your parade, but there’s a problem with your proposal. あなたの喜びを台無しにしたくはないのですが、あなたの提案には問題があります。

Throw someone under the bus バスの下に誰かを投げ込む

比較的新しい表現で、1980年代から使われるようになりました。自分を守るために他人を犠牲にする行為を表します。「betray」や「sacrifice」に近い意味です。

Instead of admitting his mistake, he threw his assistant under the bus during the meeting. 自分の間違いを認める代わりに、彼は会議中にアシスタントを犠牲にしました。

前向きな姿勢を表す表現

Keep your chin up あごを上げて

ボクシングの姿勢から来た表現という説があります。頭を上げて前を向くという身体的動作が、精神的な前向きさを象徴しています。「stay positive」や「don’t lose hope」も同様の意味です。

Keep your chin up – you’ll find a better job soon. 元気を出して – すぐにもっと良い仕事が見つかるよ。

Every cloud has a silver lining どんな雲にも銀の裏地がある

17世紀のジョン・ミルトンの詩『コーマス』に由来するとされる表現です。どんな困難な状況にも良い面があるという意味で、「look on the bright side」とも表現できます。

Losing that job was tough, but it led to a better opportunity – every cloud has a silver lining. あの仕事を失うのは辛かったけど、それがより良い機会につながった – どんな不幸にも幸運が隠れているものです。

状況や決定に関する表現

Get your act together 行動を共にする

もともとは演劇やショービジネスで使われていた表現が一般化したものです。散らかった状態から整理整頓して効率的になることを表します。「organize yourself」や「pull yourself together」も近い意味です。

You need to get your act together before the big presentation next week. 来週の大きなプレゼンテーションの前に、きちんと準備しておく必要があります。

Turn a blind eye 見て見ぬふりをする

18世紀のイギリス海軍提督ホレーショ・ネルソンが、望遠鏡を見えない方の目で覗くことで命令を見なかったことにしたという逸話に由来します。「pretend not to notice」や「ignore deliberately」とも言えます。

The manager turned a blind eye to employees coming in late during the transit strike. マネージャーは交通機関のストライキ中に従業員が遅刻してくることを見て見ぬふりをしました。

Up in the air 宙に浮く

決まっていない状態を表す表現で、物事が空中に浮いていて安定していない様子をイメージしています。「undecided」や「uncertain」と同じニュアンスです。

Our vacation plans are still up in the air until we confirm our work schedules. 仕事のスケジュールを確認するまで、私たちの休暇の計画はまだ決まっていません。

娯楽や楽しみを表す表現

Paint the town red 町を赤く染める

19世紀のイギリスで酔った貴族が町の建物を赤く塗ったという逸話に由来するという説があります。派手に楽しむ様子を表し、「go out and celebrate」や「party hard」とも言えます。

We’re going to paint the town red to celebrate her promotion. 彼女の昇進を祝うために派手に騒ぎに行くつもりです。

Have a blast 爆発的に楽しむ

「爆発」というイメージから来ていますが、非常に楽しい時間を過ごすことを意味します。カジュアルな表現で特に若い世代によく使われます。「have a great time」や「enjoy oneself thoroughly」と同様の意味です。

We had a blast at the music festival last weekend. 先週末の音楽フェスティバルで私たちは最高に楽しみました。

Let your hair down 髪を下ろす

歴史的に女性は公の場では髪を上げていることが求められ、髪を下ろすのは親しい間柄やリラックスできる空間だけでした。現代では形式ばらずにリラックスして楽しむことを意味します。「relax and enjoy yourself」や「be yourself」とも言えます。

After a stressful week, it’s nice to let your hair down with friends. ストレスの多い一週間の後、友達と一緒にくつろいで楽しむのは素敵なことです。

Living it up 思い切り楽しむ

1920年代のジャズ時代に人気になった表現で、贅沢にあるいは制限なく楽しむことを表します。特に通常の生活よりも贅沢な方法で楽しんでいる状況によく使われます。「enjoy extravagantly」や「party hard」とも表現できます。

They were living it up at the five-star resort during their vacation. 彼らは休暇中に五つ星リゾートで贅沢に楽しんでいました。