化学で使う英語
Atomic Structure 原子構造
原子内の素粒子(陽子、中性子、電子)の配列を指します。原子はギリシャ語のatomosに由来し不可分を意味します。「構造」はラテン語のstructuraに由来します。
Valence Electron 価電子
原子の最外殻にある電子。他の原子との結合形成に関与する。価電子は「強さ、能力」を意味するラテン語のvalentiaに由来します。ちなみに「電子」は「琥珀」を意味するギリシャ語のēlektronに由来する。
Chemical Reaction 化学反応
Chemicalはもともと錬金術を意味するラテン語のchymiaに由来します。「反応」は後期ラテン語のreactionemに由来する。
Balance an Equation 方程式のバランスをとる
化学方程式の反応物と生成物の係数を調整して、各元素の原子数が両側で同じになるようにすること。バランスは「2つの尺度」を意味するラテン語のbilanxに由来し「方程式」は「等しくすること」を意味するラテン語のaequationemに由来する。
Boiling point 沸点
物質が液体から気体に状態を変える温度のこと。あえてこれも由来を説明すると、沸騰という用語は「泡立つ」という意味の古フランス語boilirに由来する動詞boilから。そして「刺す、刺されるもの」という意味のラテン語punctumに由来するpointに由来する。
Periodic Table 周期表
「周期、回路」を意味するギリシャ語のperiodosに由来し、「表」は「板、テーブル」を意味するラテン語のtabulaに由来する。アダムスミスの有名なタブラ・ラサのタブラもこれだ。
acidic solution 酸性溶液
酸性溶液とは、pHが7未満の溶液を指す。酸性はラテン語のacidus(酸っぱい)に由来し、「溶液」はラテン語のsolutio(ゆるむ、溶ける)に由来する。
Hydrogen Bond 水素結合
水素結合とは、一方の分子のプロトンと他方の分子の電気陰性原子との間の静電引力から生じる、2つの分子間の弱い結合のことである。水素は「水」を意味するギリシャ語のhydro-と「形成する」を意味するgeneに由来し、「結合」は結合力や閉じ込める力を意味する古英語のbendに由来する。
Covalent Bond 共有結合
原子間で電子対を共有する化学結合の一形態である。共有結合はラテン語で「一緒に」を意味するco-と「強い」を意味するvalensに由来し「bond」は結合力や閉じ込める力を意味する古英語の「bend」に由来する。
Organic Compound 有機化合物
有機化合物とは、炭素原子を含む化合物の一種を指す。有機は「器官に関する」という意味のギリシャ語organikosに由来し、「化合物」は「まとめる」という意味の古フランス語componreに由来する。
Redox Reaction 酸化還元反応
酸化還元反応とは、2つの化学種間の電子の移動を伴う化学反応の一種である。酸化還元は「還元」(電子の獲得)と「酸化」の合成語である。
Molar Mass (モル質量)
物質1モルの質量のことで、通常は1モルあたりのグラム数で表されます。モルは化学の単位であるモルに由来し、質量、塊を意味するラテン語のモルに由来します。質量は古フランス語のmasseに由来し、塊、山、山積みを意味する。
Physical Properties(物理的性質)
物質の同一性を変えることなく観察または測定できる物質の特性のことである。物理的は自然科学を意味するラテン語のphysicaに由来し、性質は特殊性、特徴を意味する古フランス語のproprieteに由来する。
Neutralize an Acid(酸を中和する)
neutralizeは中和。neutralizeは武器を取り上げたり敵を無力化するときにも使う表現なのでイメージしやすいかもしれない。
Rate of Reaction(反応速度)
化学反応において反応物が生成物に変換される速度のことである。Rateは網を意味する古フランス語のrateに由来し、reactionは反応、後退を意味するラテン語のreactionemに由来する。
Chemical Energy(化学エネルギー)
化学エネルギーとは、化学物質が化学反応によって変態を起こす可能性のことである。化学は錬金術を意味するラテン語のchymiaに由来し、エネルギーは活動、操作を意味するギリシャ語のenergeiaに由来する。
Noble Gases (希ガス)
希ガスとは、標準的な条件下では化学反応性が非常に低い、無臭、無色の単原子ガスである。ノーブルは、高貴な、傑出したを意味する古フランス語のnobleに由来する。ちなみにガスについては化学者J.B.ファン・ヘルモントによる造語だ。おそらくギリシャ語の空虚を意味するchaosを意味する。
Inert Gas(不活性ガス)
ある一定の条件下で化学反応を起こさない気体のことである。不活性はラテン語のinert-に由来し、熟練していない、不活発なを意味する。
Heat of Combustion(燃焼熱)
一定量の物質が完全に燃焼することによって放出される熱のことである。熱は熱を意味する古英語のhætuに由来し、燃焼は燃焼を意味するラテン語のcombustionemに由来する。
Condense a Gas(気体を凝縮させる)
通常、冷却や加圧によって気体から液体へと状態を変化させることを意味する。凝縮はラテン語の「濃くする」を意味する「condensare」に由来する。
Concentration Gradient(濃度勾配)
濃度勾配とは溶液中の溶質の濃度が、ある距離にわたって徐々に変化することを指す。濃度はラテン語のconcentrationemから来ており、まとめるという意味であり、勾配はラテン語のgradientemから来ており、踏み出す、進むという意味である。
Dissolve a Solid(固体を溶かす)
その固体を溶液、通常は液体にすることを意味する。Dissolveはラテン語のdissolvereに由来し、緩める、バラバラにするを意味する。solidはラテン語のsolidusに由来し、しっかりした、全体を意味する。
Aqueous Solution(水溶液)
溶媒が水である溶液のこと。Aqueousはラテン語のaquaから来ており、水を意味し、solutionはラテン語のsolutioから来ている。
よく出る元素や化合物の英語表記の一覧まとめ
よく出る元素として、原子番号1番の水素から、アルカリ土類の38番ストロンチウムまで。
理化学分野の留学生はもちろん、日本でも理系の大学試験や院試を受ける方は覚えておこう。
38番まで書いたが大学入試をする高校生なら20番のカルシウムまでで十分かとも思う。
変な空行が空いていると思うかもしれないが一応周期の分かれ目という意味である。。
原子番号 | 元素記号 | 英語名 | 日本語名 | 関連する化合物など | 日本語名 |
---|---|---|---|---|---|
1 | H | Hydrogen | 水素 | Water | 水 |
2 | He | Helium | ヘリウム | None | 希ガスは化合物なし |
3 | Li | Lithium | リチウム | Lithium carbonate | 炭酸リチウム |
4 | Be | Beryllium | ベリリウム | Beryllium oxide | 酸化ベリリウム |
5 | B | Boron | ホウ素 | Boric acid | ホウ酸 |
6 | C | Carbon | 炭素 | Carbon dioxide | 二酸化炭素 |
7 | N | Nitrogen | 窒素 | Ammonia | アンモニア |
8 | O | Oxygen | 酸素 | Water | 水 |
9 | F | Fluorine | フッ素 | Fluorine gas | フッ素ガス |
10 | Ne | Neon | ネオン | Neon lights | ネオン灯。希ガスは化合物なし |
11 | Na | Sodium | ナトリウム | Sodium chloride | 塩化ナトリウム |
12 | Mg | Magnesium | マグネシウム | Magnesium oxide | 酸化マグネシウム |
13 | Al | Aluminum | アルミニウム | Aluminum oxide | 酸化アルミニウム |
14 | Si | Silicon | ケイ素 | Silica | シリカ |
15 | P | Phosphorus | リン | Phosphoric acid | 燐酸 |
16 | S | Sulfur | 硫黄 | Sulfuric acid | 硫酸 |
17 | Cl | Chlorine | 塩素 | Sodium hypochlorite | 次亜塩素酸ナトリウム |
18 | Ar | Argon | アルゴン | None | 希ガスなのでなし |
19 | K | Potassium | カリウム | Potassium chloride | 塩化カリウム |
20 | Ca | Calcium | カルシウム | Calcium carbonate | 炭酸カルシウム |
21 | Sc | Scandium | スカンジウム | Scandium oxide | 酸化スカンジウム |
22 | Ti | Titanium | チタン | Titanium dioxide | 二酸化チタン |
23 | V | Vanadium | バナジウム | Vanadium pentoxide | 五酸化バナジウム |
24 | Cr | Chromium | クロム | Chromium trioxide | 三酸化クロム |
25 | Mn | Manganese | マンガン | Manganese dioxide | 二酸化マンガン |
26 | Fe | Iron | 鉄 | Iron oxide | 酸化鉄 |
27 | Co | Cobalt | コバルト | Cobalt chloride | 塩化コバルト |
28 | Ni | Nickel | ニッケル | Nickel sulfate | 硫酸ニッケル |
29 | Cu | Copper | 銅 | Copper sulfate | 硫酸銅 |
30 | Zn | Zinc | 亜鉛 | Zinc oxide | 酸化亜鉛 |
31 | Ga | Gallium | ガリウム | Gallium arsenide | 砒素化ガリウム |
32 | Ge | Germanium | ゲルマニウム | Germanium dioxide | 二酸化ゲルマニウム |
33 | As | Arsenic | ヒ素 | Arsenic trioxide | 三酸化ヒ素 |
34 | Se | Selenium | セレン | Selenium dioxide | 二酸化セレン |
35 | Br | Bromine | 臭素 | Bromine water | 臭素水 |
36 | Kr | Krypton | クリプトン | None | なし |
37 | Rb | Rubidium | ルビジウム | Rubidium chloride | 塩化ルビジウム |
38 | Sr | Strontium | ストロンチウム | Strontium sulfate | 硫酸ストロンチウム |
化学のテストは日本語だからいらない?
そう試験要件では必要ないように書かれつつ、付随する英語テストでは、普段から化学好きですよね、なら英語の化学の教科書も読んでて常識ですよね、という感じで、注記なしで英語の化合物名が出てくることも。。