フランス料理の用語集 シフォナードって?
今回はフレンチにいけば英語圏でも使われている、結果的に英語圏でも必要となるフランス料理のメニュー用語集だ。。
“Demi-glace” (デミ・グラス
フランス料理で使われる濃厚な茶色いソースのこと。フランス語で、直訳すると「半分の釉薬」。伝統的には、仔牛のブイヨンとエスパニョールソースを同量ずつ合わせて煮詰め、半分に減らして作る。
“Chiffonade” (シフォナード
シフォナードとは葉野菜やハーブを細長く切るスライス技法だ。
葉を重ねてきつく巻き、巻きに対して垂直にスライスする。
フランス語で「小さなリボン」を意味する。この動画を見てもらえればわかるが、その見た目を考えるとぴったりである。
“Coulis” (クーリ
野菜や果物をピューレ状にして絞った濃厚なソース。
フランス語の動詞 “couler “に由来し、”漉す “や “流す “を意味する。
クーリはもともとは調理した肉から出る肉汁のことを指していた。
時代とともにその意味は広がって、野菜や果物をピューレ状の絞ったソースを指すようになった。
現代ではクーリは添え物や風味付けとして使われることが多い。デザートに添えられるラズベリーのクーリや、ソースやスープのベースとして使われるトマトのクーリなどがその例である。
そういうことなので例えばラズベリー・クーリは、種を取り除いた濃厚なラズベリーソースということである。
“Julienne” (ジュリエンヌ
「ジュリエンヌ」とは、食材をマッチ棒のように細長く切る包丁の切り方の一種を指す。
この言葉はフランス語に由来し、フランスの料理人であり外交官でもあったナポレオン・ボナパルトのシェフ、ジャン・ジュリアンにちなんで名付けられたと言われている。
“Mirepoix” (ミルポワ
刻んだニンジン、セロリ、タマネギを合わせたもので、ストック、ソース、スープなどに風味と香りを加えるために使われる。
ルイ15世の宮廷貴族であり外交官であったシャルル=ピエール=ガストン・フランソワ・ド・レヴィス公爵にちなんで名付けられた。

“Ratatouille” (ラタトゥイユ
ニース発祥のフランス・プロヴァンス地方の伝統的な野菜の煮込み料理。
正式名称は「ラタトゥイユ・ニソワーズ」。語源はフランス語の “rata”、つまり野菜を混ぜ合わせるという軍事用語と、”touiller”、つまり食べ物を放り投げるという意味からきている。
“Crudités” (クルディテ
クリュディテ(Crudités)とは、生野菜の盛り合わせをヴィネグレットやディップソースにつけて食べる前菜のこと。
フランス語で「生のもの」を意味する。
“Sauté” (ソテー
浅い鍋に少量の油脂を入れ、比較的強火で加熱する調理法のこと。
フランス語に由来し、炒めたり、焼き色をつけたりする際に料理人が翻弄する動作にちなみ、「跳ねる」「弾む」という意味を持つ。
“Terrine” (テリーヌ
“テリーヌ “とは、土鍋で調理する料理の一種で、ミートローフやパテなどが多く、テリーヌとも呼ばれる。
テリーヌの由来はフランス語で「土」。そして調理する土鍋を指している。
クリームチーズのテリーヌもある。
余談だがラテン語で大地はterra。竹宮惠子さんのSF漫画の地球(テラ)へのテラだ。
英語のterrainは地形だ。これらと親戚の単語といえる。

“Au Gratin” (オー・グラタン
有名なグラタン。
定義としてはパン粉またはすりおろしたチーズ(またはその両方)をまぶし、こんがりと焼いた料理を指します。
フランス語で「削る」「おろす」を意味する動詞「gratter」に由来する。
“Vichyssoise” (ヴィシソワーズ
これはもうファミレスなどでもおなじみかもしれない白いスープである。
ネギ、タマネギ、ジャガイモ、生クリーム、チキンブイヨンをピューレ状にした濃厚なスープだ。
伝統的には冷やして食べるが、温めて食べることもできる。
起源はフランス人とアメリカ人の間で議論されているが、少なくともスープの名前はフランスの町であるヴィシーにちなんでいる。
世界史好きの方向けにいうならば大戦時のヴィシー政権の、あのヴィシーである。
“Vol-au-vent”(ヴォル・オ・ヴァン
“ヴォル・オ・ヴァン “はシュークリームの小さな中空のパイのケースである。
発音としてはリエゾンでブルボン、のように発音する。
一般的には香ばしい具材が詰まっている。
フランス語で “風に吹かれて “と訳され、その軽さを表現している。
ヴォル・オ・ヴァンは通常、丸めたシュー生地に2つの円を切って、そのうちの1つに穴を開け、リング状のものを円盤の上に重ねて作る。
“Déglacer”(デグレーサー
ソースやスープ、グレイビーソースに風味をつけるために、鍋からカラメルのかけらを取り出して溶かす調理法。
この用語はフランス語で “デグレーズする “を意味し、鍋に液体(ワイン、ブロス、クリームなど)を加え、食材の粒子をほぐすためにかき混ぜることを含む。
“Quenelle” (クネル
「クネル」とは、魚や肉をクリーム状にし、パン粉と卵でとじたものを楕円形に成形して調理したもの。ドイツ語の “knödel”(団子)が語源。
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“Roulade” (ローレイド,ルーラード
ローレイド、またはルーラードとは、肉、鶏肉、魚、ケーキなどを平たく切り、具をのせて渦巻き状に巻いたものである。単純にいえば巻物だ。
フランス語で「巻く」を意味するroulerに由来する。
そういうことなので我々に馴染みのあるところではロールキャベツもロールケーキもローレイドの一種ともいえる。実際にロールケーキを指してローレイドと言うのは一般的な用法である。
通常、日本語の海苔巻きを指すことはないけれど、寿司ルーラードなどといったら外国人に説明する表現として間違いではない。
他にも例えばフランス料理のメニューを見ていて牛肉のローレイドとあったらそれはケーキではない。
下の画像のように薄くスライスした牛肉を巻いたものである。そのまま巻くだけのもの、何か具をいれて巻いたものもどちらもローレイドだ。
このように、この単語は巻いたものという意味で広く使われる単語だ。
そのため料理だけに使われる単語でもない。音楽の分野でのローレイドは流れるような音符の連続を意味し、声楽では歌手の器用さをローレイドと表現することもある。
例えばレディーガガがローレイドだと言っても少し昔の生肉ドレスを着ていたレディーガガを指すのではない。その場合は歌い方を褒めることを意味する。

“Frappe” (フラッペ
フラッペとは、冷やした、または、部分的に凍らせた、という意味の言葉だ。
英語では氷を砕いて作る飲み物の一種を指すことが多い。
語源はフランス語の「打った」「当たった」に由来している。つまり、氷を「打って」砕いた状態から来ている言葉だ。
“Bouillon” (ブイヨン
鶏肉や牛肉を様々な野菜や調味料と一緒に水で煮込んだ、透明で薄いスープのこと。
沸騰させるという意味の動詞 “bouillir “に由来するこのフランス語は、多くのスープやシチューの一般的な基礎となっている。
“Roux”(ルー
ソース作りに使われる脂肪(特にバター)と小麦粉の混合物のこと。
フランス語で「赤い」を意味する言葉に由来する。
肉汁、ソース、スープ、シチューのとろみ剤として使われる。
料理のベースとなるものでフランス料理やケイジャン料理で伝統的に使われている。
ちなみにケイジャン料理はアメリカ南部のフランス文化の入った料理である。
“Confit” (コンフィ
食材を脂の中でじっくりと煮込む調理法のこと。語源はフランス語で「保存する」という意味の動詞 “confire”。鴨やガチョウのコンフィが一般的で、肉を塩漬けにし、その脂で調理する。
“Sorbet”(ソルベ
甘味を加えた水に香料(一般的には果汁や果物のピューレ、ワイン、リキュールなど)を加えて作る冷菓のこと。
フランス語は単語の最後の子音は発音しないため、発音は無音の「t」で[sɔʁ.bɛ]となります。
もちろんアイスにしたソルベアイスも有名だ。

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