哲学の英熟語まとめ
“Free Will” (自由意志)
個人には自然の因果関係にとらわれない自由な選択をする力があるという哲学的概念です。道徳的責任に関する議論の中心的なキーワードです。
“Social Contract”(社会契約)
啓蒙主義時代に生まれた統治のコンセプト。通常、個人に対する国家権威の正統性に関する、国家と個人の間の契約モデルである。
“Tabula Rasa” (タブラ・ラサ)
タブラ・ラサ(Tabula rasa)とは英語で「白紙の状態」と訳される。ローマ時代にメモに使われたタブラ(蝋の板)に由来する。哲学では人は生まれながらにして内容を持たず、すべての知識は経験や知覚から得られるという考え方を指す。
余談だがタブララサ自体はローマ時代の小型ホワイトボードのようなものである。蝋を溶かすと蝋が平らに戻って再度書くことができる。繰り返し使えるエコで便利な道具である。
“Existential Crisis”(実存的危機)
個人が自分の人生の根幹、つまり自分の人生に意味や目的、価値があるのかどうかを問う瞬間のこと。
“Ontological Argument”(存在論的議論)
存在論(存在、存在、現実に関する学問)を用いた、神の存在に関する哲学的議論。
Subjective Reality(主観的現実)
主観的現実とは、個人が現実をどのように認識するかということであり、個人の意識、知覚、経験によって左右される。
“Rational Discourse”(理性的言説)
感情や個人的な信念とは対照的に、理性、論理、証拠に依拠した会話や議論を指す。
“Deductive Reasoning”(演繹的推論)
一般的な記述から具体的な事例へと導くもの。科学的手法や哲学的分析の発展において基礎となる概念である。
“Phenomenological Analysis”(現象学的分析)
現象学的分析とは、哲学(特に心の哲学)において、一人称の視点から生きた経験の構造を記述するために用いられる研究方法。
“Logical Positivism”(論理的実証主義)
1920年代に始まった哲学運動であり、ある記述は経験的に検証できる場合にのみ意味があるという中心的な考え方を特徴とする。科学哲学に大きな影響を与えた。
“Moral Absolutism”(道徳絶対主義)
すべての行為は本質的に正しいか間違っているかのどちらかであるとする倫理観。義務や規則を重視する脱ontologicalな道徳体系と関連付けられることが多い。
“Moral Responsibility”(道徳的責任)
こちらはそのまま道徳的な責任。。
”Categorical Imperative”(定言命法)
イマヌエル・カントの道徳哲学における中心的な哲学概念である。あらゆる状況において従わなければならず、それ自体が目的として正当化される絶対的で無条件の要件を指す。
“A priori knowledge” 先験的知識
経験とは無関係に知っている知識(すなわち、非経験的な知識、または、通常は理性によって、あらかじめ到達している知識)のことである。経験を通じて得られる事後的知識とは対照的である。
“Empirical Evidence”(経験的証拠)
観察や実験によって得られた情報のこと。このデータは科学者によって記録・分析され、科学的方法の一部として中心的なプロセスとなる。
“Materialism” (唯物論)
唯物論。個人的には物質主義でいいと思う。こういう単語が多すぎて哲学書は英語で読んだら全然理解するの楽じゃないかと思うことが多々ある。マテリアリズム、マテリアル、もっと崩していえばファイナルファンタジーのマテリアと同じ語源だ。ただの、物質、もの。それの主義。
“Determinism”(決定論)
哲学における「決定論」とは、道徳的選択を含むすべての出来事は、最終的には意志の外部とみなされる原因によって決定されるという教義である。
“Materialistic Determinism”(唯物論的決定論)
哲学的決定論の一種で、すべての事象はその事象が起こる物理的/物質的条件によって決定されるとする考え。
“Philosophical Skepticism”(哲学的懐疑主義)
知識における確実性の可能性に疑問を呈する哲学的な学派である。その程度はさまざまで、すべての知識に疑問を呈する全体的懐疑主義から、知識の特定の分野にのみ疑問を呈する穏健なものまである。
“Inductive Reasoning”(帰納的推論)
結論の真理に対して、完全な保証はないが、何らかの証拠を前提が与えているとみなす推論の方法である。普通の日本語に訳して言ってしまえば、ただの「導いた理論づけ」である。
“Phenomenal Consciousness”(現象的意識)
心の哲学において、意識の主観的経験、または「それがどのようなものであるか」という側面を指す言葉。
“Compatibilism”(両立主義)
「両立主義」とは、自由意志と決定論は相互に互換性があり、論理的に矛盾することなく両方を信じることが可能であるという信念である。
“Relativism” (相対主義)
相対主義とは、特定の領域における客観性の主張を否定し、その領域における事実は観察者の視点や評価される文脈によって相対的であると主張する哲学的見解の一群である。
参考に、物理学の方の相対性理論はtheory of relativity、または単にrerativityなど。
“Solipsism”独我論
「独在論」とは、自分の心だけが確実に存在するという哲学的な考え方である。独我論者は、自分自身の心の外にあるものについての知識は不確かであり、したがって自分自身の知覚や経験を超えた客観的な現実は存在しないと主張する。
“Occam’s Razor” (オッカムの剃刀)
最も単純な説明が最良であることが多いことを示唆する哲学の原則である。科学的な調査や推論によく使われる。
“Phenomenology”(現象学)
経験と意識の構造に関する哲学的研究である。
“Epistemology”(認識論)
「認識論」とは知識の研究。ある主張を知識たらしめる条件とは何かを述べること、また、世界の性質に関する知識の根拠を検討すること、である。
“Rationalism”(合理主義)
合理主義とは、知識は主として身体的感覚を用いるよりも、理性と論理を用いることによって得られるという哲学的信念である。
“Postmodernism”(ポストモダニズム)
ポストモダニズムは20世紀後半の哲学運動である。
“Reductio ad Absurdum”(不条理還元)
不条理還元とは、ある立場が、その含意を論理的にたどって不条理な結果に至ることによって反証される論証の様式、または論証の形式のこと。
“Doublethink”(二重思考)
「二重思考」とは、しばしば異なる社会的文脈の中で、互いに矛盾する2つの信念を同時に正しいものとして受け入れる行為のことである。この言葉はジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984』の中で作られた。
“Existentialism”(実存主義)
自由で責任ある主体としての個人の存在を強調する哲学的理論またはアプローチであり、意志の行為を通じて自らの成長を決定する。
“Logical Positivism”(論理的実証主義)
論理実証主義とは経験的に検証できる命題や論理的に証明できる命題だけが意味があるとする哲学。論理実証主義者は科学的な方法や観察可能な事実に基づく推論を重視する傾向がある。