英語学習において発音が似ている単語はやはり聞き取りや発話の際に混乱しやすいポイントです。
紛らわしい単語ペアを理解することでリスニング力が向上しコミュニケーションの誤解を防ぐことができます。ということで本記事では発音が似ていながら意味が大きく異なる英単語のペアを解説したく思います。
日常会話で紛らわしいペア
Here と Hear(ここ、と、聞く)
Here は場所を示す副詞で「ここ」を意味しhear は「聞く」という動詞です。「I can hear you from here」(ここからあなたの声が聞こえます)のように一文中に両方が出てくることも珍しくありません。
Desert と Dessert(砂漠とデザート)
Desert は名詞で不毛の砂地、動詞では「放棄する」を意味します。一方 Dessert は食事の最後に食べる甘いコースです。覚え方として「Dessert は S が二つで二回食べたい。Desert は一回行けば十分」というのが便利です。
Compliment と Complement(賞賛と補完)
Compliment は親切な言葉や賞賛を表しComplement は何かを完成させるものや相性の良いものを意味します。
She received many compliments on her dress because it complemented her complexion.
彼女のドレスは彼女の肌の色を引き立てていたので多くの賞賛を受けました。
Maid と Made(メイドと作られた)
Maid は女性の使用人を指しmade は make の過去分詞です。「The maid made the bed」(メイドがベッドを整えた)という文では両方の単語が異なる意味で使われています。
Flour と Flower(小麦粉と花)
Flour は料理やパン作りに使う粉末状の食材、flower は植物の花です。レシピを読む際などに混同しないよう注意が必要です。「Flour for bread, flowers for decoration」(パン用の小麦粉、装飾用の花)と覚えるとよいでしょう。
よく間違えられる動詞と名詞
Flea, Flee, そして Free(ノミと逃亡と自由)
Flea は哺乳類や鳥類の血を吸う小さな昆虫ノミ、flee は危険から「逃げる」という動詞、free は「自由」や「無料」を意味します。
She had to flee the house because it was infested with fleas.
家がノミだらけだったので彼女は家から逃げ出さなければなりませんでした。
Fleaマーケットの様子。
Affect と Effect(影響と効果)
Affect は通常「影響を与える」という動詞、Effect は「結果」や「効果」を表す名詞として使われます。ただし effect は「引き起こす」という動詞、affect は心理学で「感情」を表す名詞としても使われることがありコンテキストによって判断する必要があります。
Climate change will affect our lives, and its effects will be long-lasting.
気候変動は私たちの生活に影響を与えその影響は長期的なものになるでしょう。
日常生活で混同しやすい単語
Knight と Night(騎士と夜)
Knight は「騎士」を指し綴りの始めにある「K」は発音されません。Night は「夜」を意味します。歴史小説や中世の話題では特に注意が必要です。
The knight patrolled the castle at night.
騎士は夜にお城を巡回しました。
Week と Weak(週と弱い)
Week は7日間の期間、weak は「弱い」「力のない」を意味する形容詞です。「I feel weak after being sick for a week」(一週間病気で弱っています)のように関連して使われることもあります。
Bare と Bear(裸のと熊/耐える)
Bare は「裸の」「覆いのない」を意味する形容詞、bear は名詞で「熊」、動詞では「耐える」「運ぶ」を意味します。
I can’t bear to see the bare walls of this room anymore.
もうこの部屋の何もない壁を見るのに耐えられません。
ビジネスや学術で紛らわしいペア
Cite と Site(引用と場所)
Cite は「引用する」「言及する」という動詞、site は「場所」「現場」を意味する名詞です。学術論文やレポート作成時に混同しやすい単語です。
He had to cite his sources for the essay on historical sites.
彼は歴史的遺跡についてのエッセイで情報源を引用しなければなりませんでした。
Naval と Navel(海軍のと臍)
Naval は「海軍の」「船舶の」を意味する形容詞でNaval Treaty(海軍条約)などのフレーズでよく使われます。Navel は「おへそ」を指す名詞です。両者は全く関連がないため文脈で判断できることが多いです。
The naval officer had a scar near his navel from a childhood accident.
その海軍士官は幼少期の事故でへその近くに傷があります。
こちらはNaval Stationのバーチャルツアー。
One と Won(1と勝った)
One は数字の「1」、won は win(勝つ)の過去形です。「He won one game yesterday」(彼は昨日1試合勝った)のように文中で両方使われることもあります。
ビジネスコミュニケーションで重要なペア
Higher と Hire(より高くと雇う)
Higher は high の比較級で「より高い」を意味しhire は「雇う」という動詞です。ビジネス会話では特に注意が必要なペアです。
We need to hire more staff for the higher positions in the company.
会社のより高いポジションのためにさらに多くのスタッフを雇う必要があります。
Pore と Pour(熟読すると注ぐ)
Pore は「熟読する」「注意深く調べる」という動詞、pour は「注ぐ」「流す」を意味します。「She poured over the documents」は誤用で正しくは「She pored over the documents」(彼女は書類を熟読した)です。
The scientist pored over research data while his assistant poured chemicals into test tubes.
科学者は研究データを熱心に調べている間助手は試験管に化学物質を注ぎました。
Principal と Principle(校長/主要なと原則)
Principal は「主要な」という形容詞や「校長」という名詞、principle は「原則」「原理」を意味します。ビジネス文書でよく見られる単語なので区別が重要です。
The principal reason for our success is adherence to ethical principles.
私たちの成功の主な理由は倫理的原則の遵守です。
その他の紛らわしいペア
Morning と Mourning(朝と喪)
Morning は一日の始まりの時間帯、mourning は「喪に服す」「悲しむ」ことを指します。発音はわずかに異なりますが非ネイティブには聞き分けが難しいことがあります。
The morning after the tragedy, the whole town was in mourning.
悲劇の翌朝町全体が喪に服していました。
Peek と Peak(覗くと頂上)
Peek は「ちらっと見る」という動詞、peak は「頂点」「最高点」を意味します。さらに「pique」(興味をそそる)という発音の似た単語もあり三つ巴の混同が起こりやすいです。
I peeked out the window to see the peaks of the mountains.
山々の頂を見るために窓から覗きました。
Idle と Idol(怠惰と偶像)
Idle は「活動していない」「怠惰な」を意味する形容詞、idol は「偶像」「アイドル」を表す名詞です。
Don’t be idle—use your time to learn about cultural idols from around the world.
怠けていないで—あなたの時間を使って世界中の文化的偶像について学びましょう。