スポーツの英語2 そしてMLB,NBA,NFLのドラフトやトレードの仕組み

スポーツ

スポーツニュースの英語2

前回に引き続き、収まらなかったものをまとめて。

後半は英語ではないのだがアメリカのスポーツニュースを見るにあたっての予備知識として選手のリクルーティングやドラフト、トレードなどについて。

Half-Time Show

ハーフタイムショーとは特にバスケットボールやアメリカンフットボールにおいて、試合のハーフタイムとハーフタイムの間に行われるエンターテイメントのこと。

例えばバスケットボールは4クォーターが行われる。1と2、3と4の間は2分の休憩だが、試合の中間の2と3クォーターの間は15分など長い休憩がとられる。ここでのショーだ。特にNFLのスーパーボールのショーは有名である。

Michael Jackson – Super Bowl XXVII 1993 Halftime Show (Remastered Perfomance)

Training Camp

トレーニングキャンプとは、アスリートが次の大会に向けて集中的にトレーニングを行う場所のこと。キャンプという言葉はそもそもはラテン語で野原を意味するキャンパスに由来する。

ちなみにだがMLBでは東海岸のチームはフロリダ、西海岸のチームはアリゾナに行くことが多いように思う。

大谷のいるロサンジェルスドジャースやイチローのいたマリナーズもアリゾナだ。ドジャースのライバルであるサンフランシスコ・ジャイアンツもアリゾナといった具合である。

Strength and Conditioning

ストレングス&コンディショニングとは、エリートスポーツのパフォーマンスを発揮するためのアスリートの身体的・生理的発達を指す一般によく言われるセットの熟語だ。

ストレングスは身体的に強いという性質や状態のことであり、コンディショニングは、人や動物が特定の行動をとったり、特定の状況を受け入れるように訓練したり慣らしたりするプロセスのことである。要するに強度と調整である。

Doping Scandal

ドーピング・スキャンダルとは、アスリートがパフォーマンスを向上させるために禁止薬物を使用していたことが発覚した事件を指す。ドーピングは、禁止されている運動能力向上薬を使用することである。

自転車ロードレースツール・ド・フランスの7連覇が全て帳消しにされた元レジェンドと呼ばれた選手、オリンピックのメダリスト、はたまたMLBではホームランの大記録保持者、超有名ライバル同士がどれもこれもみんなのちのちドーピングであるとばれてファンをがっかりさせた。

好きなスポーツでこうした記憶がある人も多いだろう。基本的に全員がフェアプレーの中での不正行為のため、もちろん殿堂入りは白紙、記録は抹消になるなど厳しい対応が取られている。

Locker Room Talk

ロッカールーム・トークとは公の場では率直すぎたり下品すぎたりするとみなされる会話を指す。

Signing Bonus

サイン・ボーナスとはスポーツチームが新人選手に対して、そのチームに入団するインセンティブとして支払う金額のことである。ボーナスだけだと特に好成績に対する報酬として季節ごとに賃金に上乗せされる金額を指す。

Contract Extension

これはそのままである、コントラクトの延長、契約延長だ。

Trade Deadline

トレード・デッドラインとはある選手を次のチームからトレードできる最後の日のことである。デッドラインは締切だ。

MLBとNBAとNFLの、ドラフトとリクルート、トレードについて

ドラフトとリクルートについて

メジャーリーグベースボール(MLB)、ナショナルバスケットボールアソシエーション(NBA)、ナショナルフットボールリーグ(NFL)のリクルート(ドラフト)方法は、それぞれのスポーツの性質、育成システム、リーグの構造により大きく異なる。

ここでは、それぞれの概要と、選手への支払いの取り扱いについて説明する

the-NFL-Draft-event-in-a-large-venue スポーツの英語2 そしてMLB,NBA,NFLのドラフトやトレードの仕組み

MLBのドラフトとリクルート

MLBドラフトは毎年開催され、主に高校、大学、アマチュア野球クラブから球団が対象選手を指名する。

MLBにはNBAやNFLよりも充実したマイナーリーグのシステムがある。そのためドラフトで指名された選手はメジャーリーグに行くまでに何年もかけて成長することが多い。

ドラフトで指名された選手は通常、指名した球団との契約に合意した時点で契約ボーナスを受け取る。ボーナスの額は、選手のドラフト順位や将来性によって大きく異なる。マイナーリーグでの年俸はメジャーリーグよりかなり低い。

NBAドラフトとリクルート

NBAドラフトは2回戦で構成される。

チームは主にNCAA(大学バスケットボール)、国際リーグ、そして時には海外や育成リーグでのプレーを選択した高卒選手から、選手を指名する。

NBAにはデベロップメントリーグ(Gリーグ)もあるが、MLBのマイナーリーグシステムに比べると選手育成の中心にはなりにくいといった形だ。

ちなみにデベロップメントならDリーグじゃないかと思った方、良い着眼点である。このGはGrowingの育てる、…などでもなく、リーグのスポンサーのゲータレードのGなのだ。笑

さて、NBAチームのロースター入りを果たしたドラフト指名選手は、リーグの団体協約(CBA)によってあらかじめ決められたドラフト順位に基づく新人契約を結ぶ。

この契約では、最初の2年間のサラリーが保証される。3年目と4年目にはチームオプションがある。選手はエンドースメント契約を交渉して結ぶことができて副収入を得ることができる。

NFLドラフトとリクルート

NFLのドラフトは7回戦制である。チームはほとんどNCAAから選手を指名するのもその特徴だ。

NFLにはマイナーリーグ制度がない。

そのため選手は通常、チームのロースターに入るか、プラクティス・スクワッドに入るか、解雇される。

ドラフトで指名された選手には契約ボーナスと契約年俸が支払われる。契約年俸はドラフト順位の影響を受けるがNFLのCBAが定めるパラメータの範囲内でより多くの交渉が行われる。

新人契約は4年。1巡指名選手には5年目のチームオプションがある。

補足知識

個人支払いである。3リーグとも、プレー契約と契約ボーナスの支払いは、チームや企業ではなく、選手個人に直接支払われる。ただし、選手の年俸はチームの給与の一部であるため、リーグのサラリーキャップや規定が適用される。

チームはチケット販売、放送権、スポンサーシップ、グッズ販売などを通じて収入を得るが、これは選手の給与とは別のものである。

リーグは多くの場合、競争バランスを確保するために収入分配の仕組みを設けている。
エンドースメントはチームとの契約とは別のもので、選手とその代理人が交渉する。

トレードについて

トレードはチーム間の選手、ドラフト指名権、時には現金の交換を伴う。トレードにまつわるルールや戦略は、リーグ構造やサラリーキャップ、選手契約の違いにより、各スポーツのリーグ間でやはり異なる。どのリーグもトレードの金銭というのは個人対象ではなくチーム間での金銭取引である。

MLBのトレード

金銭面: MLBにはサラリーキャップはないが、高額な年俸を支払っているチームにペナルティを科すために贅沢税が採用されている。大型契約を相殺したり、他チームに高年俸選手を獲得するよう説得したりするために、現金がトレードに含まれることがある。

ちなみにNYヤンキース、大谷やベッツのいるLAドジャース、ボストンレッドソックス辺りはいつも贅沢税の高額支払いの常連である。

この課徴金の総額、2000年代頃は150億円ほどであったが、2024年ではなんと大体2倍の300億円ほどの金額で推移している。。

NBAのトレード

NBAのサラリーキャップは、トレードが特定の金銭的マッチングルールを満たすことを要求している。

金銭面: 選手の契約は保証されているが、トレードに関わる金銭(現金の対価のようなもの)は、キャップ制限の下でトレードの財政的バランスをとるものである。選手はもちろんトレードされることで直接金銭を受け取ることはないが、保証された契約は新しいチームでも継続される。

NFLのトレード

NFLには厳しいサラリーキャップがあり、選手のトレードはデッドマネー(未償却の契約ボーナスの残額)により、チームのキャップスペースに大きな影響を与える可能性がある。

契約には契約ボーナスなどの保証金が含まれていることが多い。選手がトレードされた場合、元のチームは一般的に残りの契約ボーナスを日割りで支払う責任がある。新チームは選手の基本年俸と保証金以外の金額を負担する。

MLBなどのリーグに比べるとNFLでは一般的ではないが、トレードに現金が含まれることがある。これは通常、トレードの価値を均衡させるため、またはチームがサラリーキャップの影響を管理するために行われる。

補足知識

トレードにおける金銭面のポイント
重ねていうがMLB、NBA、NFLのトレードにおいて、選手はトレード取引金を直接受け取ることはない。選手の収入は主に契約によるもので、契約金は球団から支払われる。選手がトレードされると、獲得チームは、サラリーを含め、事前に合意された条件で選手の契約を引き受ける。


リーグ内でのしっかりとしたバランス調整

ヨーロッパのサッカーリーグでは、ほとんどその国の代表のようなドイツのあるチーム、石油マネーが席巻しているイングランドのチーム、世界選抜とも言われるスペインのチーム、今はそれほどでもないがメディア王の首相のあるイタリアチームなど、圧倒的な強さのチームが存在してきた。

しかし自由経済の国であるアメリカでは、スポーツにおいてそうした自由はあまり許容されない。トレードはバランス調整がされる制度となっている。

大量の金銭注ぎ込みによる強化のようなトレードの不公平を調整するため、チームがサラリーキャップを下回るのを助けるため、または高年俸のプレーヤーを獲得するための補償が比較的行われるのがアメリカのスポーツシステムである。

特にNBAやNFLのようなサラリーキャップ制のリーグでは、チームの財務や戦略に大きな影響を与える構造だ。

例えば選手をトレードで放出することで、チームのサラリーキャップスペースを空けることができるが、デッドマネーが発生する可能性もある。新チーム側は移籍選手の契約を吸収できるだけのサラリーキャップスペースを確保しなければならない。

選手同士の戦いの他に、ある意味でこうしたシステムを考慮しての裏方のマネジメントの戦いも見ものと言えるかもしれない。ペイロールの管理意外に、例えば贅沢税のペナルティの回避、あるいは将来の契約のためのキャップスペース、つまり余剰分の最適化など、こうしたものがトレード交渉において重要な考慮事項である。

またシーズンごとにトレード期限が設けられている。それを過ぎるとトレードができなくなる。この期限によって、チームがプレーオフに向けて最後の追い込みをかける際の競争バランスが保たれるわけである。

と、こういった形で色々とフェアになるような取り組みがされているのである。金銭的な力で偏りがあるのは強いチームのファンにとってもいいこととは限らない。

例えば野球で言えば良いピッチャーと良いバッターが同じチームに集まりすぎれば名勝負は見れなくなっていくだろう。また金銭的差異がない状態のリーグ環境と比べて個人記録などもチーム間のムラから実力以上に良くなったり悪くなったりしてしまう。

スポーツファンが楽しく見るためにもこうした限度をつけた是正の取り組みは重要かと思われる。

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