ケッペンの三番目の文字
ケッペンの気候分類の3番目の文字は温度パターンを示している。
aは暑い夏を表し、最も暖かい月の平均気温は22℃を超える。
aの由来は謎だが一文字目の大文字のAも熱帯で始まったことから暑い側から、ということではないだろうか。
bは暖かい夏を表し、最も暖かい月の平均気温が22℃を下回る。
これはドイツ語で快適を意味するbequemに由来するかもしれない。
cは涼しく短い夏を表し、最も暖かい月の平均気温が22℃を下回り、少なくとも4ヶ月の平均気温が10℃を上回る。このcも由来は謎だがcool(涼しい)を表しているかもしれない。
dは非常に寒い冬を表し、最も寒い月の平均気温が-38℃を下回る。
ドイツ語のdauerhaft(持続する、厳しい)に由来する。
abcdと続いて、ここで文字がとんで、あと二つ。
hは暑いを意味するheiss(ssは本来はドイツ語のssと発音するエスツェットという小文字が入る)。
kは寒冷な気候を表し、通常Bと組み合わせて寒冷で乾燥した気候を表します。やはり同じくドイツ語で寒さを意味するkaltに由来する。
ここまでの応用
では今までのことを実際の幾つかの例で確認してみたい。
Aw
Awは熱帯サバンナ気候を表す。
Aは熱帯、wは乾燥した冬。このタイプの気候は、主に雨季と乾季の2つの季節があり、乾季は冬に起こる。植生は主に草原で、樹木はほとんどない。
このタイプの気候は、アフリカ、南米、オーストラリア北部の一部で見られる。
こちらはアフリカのサバンナに降る雨。
Am
Amは熱帯モンスーン気候を指す。Aは熱帯気候。
mは前回に重ねて言うがmittelの中間ではなくモンスーンのmを表し乾季の短い気候を意味する。
わざわざドイツ語まで拾ってきて学生に仕込むという謎のニセミームに洗脳されないよう気をつけてほしい。
この気候は特にモンスーン期に降雨量が多く、気温は一貫して高く、日較差はほとんどない。
乾季は熱帯サバナ気候に比べて明らかに短く、その後長い雨季が続く。この気候はミャンマー西部やスリランカなど東南アジアの一部、カリブ海の一部、中南米に典型的に見られる。
BWh
BWhは暑い砂漠気候を示す。
Bは乾燥気候、Wは真の砂漠気候、hはドイツ語のheissで高温。
この気候は年間降水量が少なく気温が高く、最も暑い時期には摂氏40度を超えることもある。
サハラ砂漠、アラビア半島、米国西部とオーストラリア、イランとパキスタンの大部分に見られる気候だ。
こちらは記録的猛暑のときのパキスタンの風景。
BWk
BWkは寒冷砂漠気候。これらの地域は他の砂漠と同様に降雨量が少ないが、気温の変動幅がより大きく、冬季は気温が低くなる。
Bは乾燥気候、Wは砂漠であり、kはkalt、寒冷だ。
Cfa
Cfaは湿潤亜熱帯気候のケッペン気候分類を表しています。Cは穏やかな中緯度の気候を表し、fはすべての季節で降水量が多い気候を、aは暑い夏を表しています。
この気候は、アメリカ南東部、オーストラリア東部、日本や中国の一部など、大陸の東海岸に多く見られる。
これらの地域では、夏は一般的に高温多湿で雷雨が多い。冬は温暖で降雨量は年間を通して均等である。
Cs
Csは地中海性気候を表します。
このタイプの気候は暑く乾燥した夏と、温暖で湿潤な冬が特徴です。Cは温帯気候を表し、sはsommerのs、乾燥した夏である。
Dfa
Dfaは暑夏大陸性気候を意味します。この気候は夏と冬の気温差が大きく、夏は暑く、冬は寒くて雪が多いのが特徴です。
Dは大陸性気候、fは完全に湿った状態、aは暑い夏を表す。
Dfb
Dfbは暖夏大陸性気候または半乾燥気候を表し、夏は暖かく(暑くはない)、冬は寒く雪が多いです。
Dは大陸性気候、fは完全湿潤気候、bは暖かな夏を表す。
Dfc
Dfcは亜寒帯気候または北方気候を表します。
Dは厳しい冬を伴う積雪気候、fは四季を通じて十分な降水量、cは冷涼な夏を表しています。
典型的な亜寒帯気候は、冬は非常に寒く乾燥し、夏は短く涼しいです。
この気候はカナダ、ロシア、スカンジナビアなど、北半球大陸の内陸部に見られます。
冬は氷点下が6ヵ月続くこともあり、夏は短く温暖である。
ET
ETはツンドラ気候を表し、植物の生育の極限に存在する気候である。
ツンドラ気候は、高緯度または高地に多く見られます。植生は通常、地衣類、コケ類、低木からなる。
EF
EFはEのFrostで、氷雪気候。標高の高い極端な緯度の地域であり、また、気温が氷点下以上になることはほとんどない。
ということで降水についても雪として降る。南極など特に寒いところだと-90度近くという場所もある。
ちなみに最後に余談として、Eの二つが大文字だけなのはETもEFも降水量は基準に含まない気候だからである。
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